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Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】

第12章 助けて!お巡りさん!【諸伏景光】





※先に共通ルートをご覧になってからの方が
ストーリーが分かりやすいです!










財布もスマホも無くて、途方に暮れ歩いていた時に偶然通りかかったイケメンポリスの諸伏さん。
爽やかでカッコよくて、優しいし。“好青年”を絵にかいたような人だ。

降谷さんや松田さんだって、見た目がカッコイイのは否定しないけど・・・降谷さんは真面目で硬そうなんだし、逆に松田さんはすごい上から目線で不真面目そう。




私が今日中に自宅に帰れないのは必至。

お金が無いからホテルは勿論、カラオケやネットカフェで過ごすことすら出来ない・・・かと言ってこの寒空の下で野宿なんてちょっと考えられないし・・・

そんな中勝手に決められた、「誰の家に泊まるか決めろ」って話。

男の人の家に泊まるという事は、何かあるかもしれないってことくらいは私だって分かってる。

真面目そうな降谷さんだって男性だ、何も無いとは言い切れない。松田さんに至っては絶対何かありそうだし・・・

何かあるかもしれない相手を選べと言うことなら、諸伏さん・・・とぼんやりは思ってたんだけど、たしかによく知らない人の家にいきなり行くのは怖い。


流されるまま、居酒屋に連れてこられた。


ある程度食事も進んだ時。テーブルの下で、突然諸伏さんが私の左手の甲をつんつんしてきて。

なんだろう?と思った次の瞬間、手を握られた。

彼は降谷さんや松田さんとくだらない話をしてて、私とは目も合わせることもなく、急にだ。

心臓がバクバク動き出し、頭が混乱しそうになった。けど全く嫌ではなくって。

その手は大きくて、温かくて、なんだかその感触はすごくしっくりきて。

振り払うこともなく、ほかの皆に気付かれることもなく、しばらくそのままでいた。










「私は、諸伏さんの所にお世話になりたいです」

「ああ。じゃ、行こうか」


また左手をそっと握られて、外に出た。ビュウビュウと冬の乾いた風が顔面に直撃する。


「風冷たっ!」

「東京って気温以上に寒く感じるよな」

「分かります・・・ほんと今日は助けてもらえてよかったです!凍え死ぬ所でした・・・」


寒さに両肩を上げながら、繋がれた手をキュッと握りしめる。


「ほっとく訳ないだろ・・・なあ、明日朝は早くないんだろ?よかったら俺ん家の近くで飲み直さないか?」
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