Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第11章 助けて!お巡りさん!【松田陣平】
諸伏が道で拾ってきたって女、今のこのご時世にカバンを置き引きされるとか、どんだけ平和ボケした田舎モンだ?もしくはバカなのか。
でも顔は悪くない、脱がしても良さそう。
そのが今は俺の隣でガチガチに固まっている。ウブな女を可愛いと思わなくはないが、あまりにガチガチの女を抱く趣味もない。
何の気なしにテレビを付けると、放送されていたのはくだらないバラエティ番組だった。コイツの緊張を解いてやるにはこんな番組がちょうどいいかもしれない。
数分後には、強ばっていたの身体はだいぶ柔らかくなり、笑い声も聞こえてきた。
「ハハハっ・・・あれ?松田さん?」
「なんだ?」
「面白くないですか?」
「別に・・・お前を見てる方がおもしれぇな」
「なんでー・・・」
テレビに向き直り、少し唇を突き出し拗ねたような顔をする。無性に、その唇に触れたくなり・・・次の瞬間には身体が動いていた。
頬に軽く口付けると、は驚いたのか目を見開いて 俺の方を向く。何か言い出しそうに開きかけた唇をすぐさま塞いだ。そのふっくらした感触は心地よく・・・気付けば何度もキスをしていて。どうやら、唇の相性は良さそうだ。
一旦顔を離すと、は力の抜けた顔をしている。居酒屋でケチャップを拭った時もたしかこんな顔だった。
その時したように、下唇に親指で触れてみる。の瞼が伏せられ、もう一度開かれると、その瞳は揺れながらも俺を見ていて。
誘われているようにも感じる色を帯びた視線に、“欲しい”・・・と直感的に思う。
思ったんだが。直後、の視線はパッと横へ動いた。
「あっこれ見たかったやつだ」
「あ?」
テレビに映し出されていたのは何かの映画の序盤・・・
・・・なんなんだコイツは。さっきの目は誘ってたんじゃなかったのか?
溜息をつき、の顎を掴み顔面を寄せる。
「よそ見すんなって」
「っ・・・ん!」
何か反論してきそうな口を塞ぎ、舌を差し入れる。上顎をなぞり、柔らかい小さな舌を絡め取り、吸って。
の背中を抱き寄せて、離れないように腕の中に閉じ込めた。
「映画、見たい・・・です」
「んなもんいつでも見れるだろ」
「えー・・・」