Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第11章 助けて!お巡りさん!【松田陣平】
二人で外を歩く。
「俺ん家食いもん何もねーけどいいか?」
「お腹いっぱいだし大丈夫です!」(極度の緊張でお腹も空かない)
「酒は足りてるか」
「まあ・・・買うお金も無いですし」(でも緊張を紛らわす為に酔いたい気もする)
するとコンビニに連れてこられ、松田さんは「好きなもん買え」と言ってくれて。
多少の遠慮はしつつも、お酒だけじゃなく必要なものまで色々買ってもらう。
「本当にありがとうございます、助かります!」
「気にすんな・・・礼はこの身体にたっぷりしてもらうから」
「っ!!!」
私の肩に置かれてた松田さんの手が、腰へ降りてお尻を撫でて掴んできた。
「松田さんっ!こ、こ、ここ外です!」
「じゃー家なら触り放題なのか?」
ニヤりと笑う松田さんの顔は少年のようなのに、腰を抱いてくる手付きはどう考えても女性の扱いに慣れた大人のモノだ。
こんな状態じゃ家に着くまでに倒れてしまいそうだ・・・
まあでも倒れずにちゃんと松田さんの家まで無事に辿り着き。
一人暮らしの男性の部屋ってこんなものなのか。めちゃくちゃ綺麗とは言えないけど、恐ろしく汚い訳でもない。
明日、泊めてもらったお礼に少し掃除して帰ろうか・・・
「来るって分かってたらもう少し片付けといたんだけどな」
「いえ!もう泊めて頂けるだけで充分ですから!」
「なら・・・そこ、座っとけ」
「はいっ」
ソファを顎で促されて、座る。目の前のテーブルには吸殻満タンの灰皿に、ライター、雑誌、乱雑に置かれた色々な・・・色々な・・・ん。
その雑多の中に、いかがわしいものを見つけてしまった(所謂子供に見せてはいけないモノ)。見てないフリをするけれど。
松田さんはそのテーブルの上のものをザザーっとズラしてスペースを空けて、そこに先程買ってきた缶ビールを並べて置くと、私の隣に座ってきた。
プシッと音を立てて缶が開き、本日二度目の乾杯だ。
彼はサングラスを雑多の上に置くと、再び肩に腕を回してきて。私の身体は硬直してしまう。
「緊張してんのか?」
「・・・たぶん」
「大丈夫だって、そんなスグに取って食ったりしねーよ」
そうは言われたものの。何か起こるかもしれないこんな状況でリラックスできる訳もなく。缶ビールを両手で握り締めながら飲み進めた。