Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第10章 助けて!お巡りさん!【降谷零】
連れてこられた降谷さんの部屋は、一人暮らしの男性の部屋とは思えない程、綺麗に整えられている部屋で。
彼は、「うー寒いっ!」と縮こまる私をソファに座らせると、大きなブランケットのような布を持ってきて、後ろからふわりと掛けてくれた。
「何か温かい飲み物作るけど・・・酒の方がいいか?」
「もう頂けるなら何でも頂きます・・・」
少しして出てきたのは、甘酸っぱい香りの、温かい褐色の液体。これは何かのお茶?それともお酒か?
ほんの少しだけ口に含んでみる・・・甘すぎない甘さでめちゃくちゃいい風味。温かくてほっとするし・・・多分お酒だけどかなり飲みやすい。
「これ、何?初めて飲むかも・・・美味しい」
「果物のリキュールを紅茶で割ったんだ」
「へぇ・・・ほんとに美味しいです!」
「気に入ってもらえてよかった。風呂用意してくるから楽にしてて」
「えっ!お風呂まで貸して頂けるんですか!」
「そりゃ、女の子だし、入りたいだろ?寒いし」
「何から何まで・・・ありがとうございます・・・」
出してもらったお酒がぬるくなる頃には部屋も温まって、お風呂の準備も出来たみたいだ。
「着替え、僕のしかないけどこれ使って」と、スウェットの上下を渡される。
「ありがとうございます・・・」
「今着てるものは洗っておくから置いといて」
「そんな悪いです!」
「僕の服も洗うし、ついでだから」
「すみません・・・」
服を脱いで畳んで洗濯機の前に置き、浴室へ入った。
そこは予想通りピカピカで、おまけに良い匂いまでする。
温かいお湯に浸かり、ふと思った。
下着だけはさすがに降谷さんに洗わせる訳にはいかない・・・!お風呂で自分で洗おう!
ザバっとお湯から上がり、入口の扉を開ける。
「ーーーっ!!!」
「えっ!あっ!ごめん!」
すぐに扉を閉めた。扉の向こうに降谷さんがいたのだ。
多分、服を洗いに降谷さんは来ていたんだろうけど。
私の下着・・・ていうかもしかして裸も見られた!?頭がパニックを起こしかけている。