Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第9章 助けて!お巡りさん!(降谷・松田・諸伏共通ルート)
“男の家に泊まる”という事は、“自分の身に危険が及ぶかもしれない”という事なのだが。
には何も心配している様子は見られない。相手が警察官だからだろうか。
四人がこの後の食事の場所をやいやい決めていると、二人の男性が交番に入ってきた。
ガタイの大きいのが伊達、長髪の方が萩原である。本日の夜勤組だ。
伊達「どうしたんだ?その子は」
諸伏「カバンを盗まれて一文無し、家はかなり遠いし知り合いも東京にはいないみたいでね。今夜は俺らが面倒を見る事になった」
萩原「あれ・・・結構カワイイじゃん。俺と一緒に交番にお泊まりする?」
松田「するワケねーだろ」
降谷「今から僕達四人で食事に行くんだ。その上で誰の家に泊まりたいか彼女自身に決めてもらう」
萩原「はっ!?お前ら俺が居ない間にすげぇ楽しそうな事を・・・諸伏!夜勤代われ」
諸伏「生憎だが、この子は俺が拾ってきた子なんだ。譲れない」
はクスクス笑いながら彼らのやり取りを伺う。
唯一、伊達はその輪には混じらず、さっさと制服に着替え、一人呆れた顔をして職務に取り掛かり出した。
結局、騒ぐ萩原に伊達の鉄槌が下り、萩原は交番に残り(仕事なのだから当然だ)、当初の予定通り四人で食事に行く事となる。
諸伏達も私服に着替え、やって来たのは交番からほど近い居酒屋。
彼らが案内されたのは正方形のテーブル。
一番奥に、そこから時計回りに諸伏、降谷、松田という並びでテーブルを囲む。
降谷「さんは何飲む?」
「お茶を・・・」
松田「酒飲めねーのか?」
「飲めますけど・・・食事をご馳走してもらえるだけで充分ですから・・・」
松田「んな事言わねぇで好きなモン飲んで食えよ、遠慮したら奢らねーぞ」
「えぇっ!?」
諸伏「大丈夫だって。気にしないで頼んで」
「は、はい・・・」
はしばらく迷ったようだが、結局皆に合わせてビールを頼み、“争奪夕食会(?)”の幕が開けられた。