Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】
第8章 光の交わるところ【諸伏景光】
チュっと、頬の上の辺りに、ヒロくんの唇が触れた感触があった。
・・・待って待って。それが気持ちだってどういう事だ。
目を見開いて彼の方を向く。
「・・・なに?・・・今の・・・」
「俺が何を思ってるのか、知りたいか?」
「知りたいよ・・・だってつらい・・・っ!」
今度は、唇を唇で塞がれた。しかも、結構長いこと、離れない。
急に身体が熱くなってくる。
ようやく唇は離れた。でも今度は目をじっと見つめられて・・・言葉も出てこず、動けなくなってしまった。
しかもヒロくんの瞳はなんだか熱っぽくて・・・こんなに男っぽい顔、初めて見た。
「俺は、が好きだよ」
「っ・・・!」
「ゴタゴタが落ち着くまで言うつもりは無かったんだけどな、が急かすから」
「急かしてなんか・・・」
「も俺が好きなんだろ?言われなくても俺は分かってる・・・」
「ぇ・・・んっ・・・!」
再び唇が重ねられて・・・何度も確度を変え、離れてはくっつき。しばらくそれを繰り返された。
「久しぶりに会えたがめちゃくちゃ綺麗になってて・・・ビックリした。でも、もしにまで黒田の息がかかってたらどうしようって・・・かなり焦った」
私の髪や頬を撫でながら彼は続ける。
「が変な集団の色に染まってなくて・・・本当に良かった・・・」
「ヒロくん・・・」
またキスをされて、何度も柔らかく唇を食まれる。
ヒロくんがそんな風に思ってくれてた事に、胸が痛い程苦しくなる、けどすごく嬉しくて・・・
ヒロくんの方を向いて彼の背中に腕を回して抱きついた。
「・・・?」
「ありがと・・・わたしも、ヒロくんが、すき・・・」
「あのさ・・・あんまりくっつかれると・・・抑えられなくなりそうなんだけど」
・・・それはこの先の行為の事を指してるんだろうか。
「いい・・・ヒロくんなら」
消え入りそうな声で応えて、更にキュッと抱きついた。
ヒロくんも優しく抱き締め返してくれる。
心臓がバクバク音を立てている。
どうかヒロくんには聞こえてませんように。