第3章 窮屈な場所
シュッ……シュッ……
静かな部屋に素振りの音だけが響く。
ヘッドの上ではサクラが見守ってくれている。
シュッシュッシュッシュッ………………
……コンコン…
シュッシュッ…………
コンコンコン…
シュッシュッシュッ………
鉄「なち様!」
『おわっ!すまん、気づかなかった!』汗
鉄「いえ、全然大丈夫ですよ。」クスッ
『もうこんな時間かー…』
鉄「ええ、随分と熱心でしたね。」
『オー!まぁな!えっと……夕食か?』
鉄「はい。」
『んじゃ、父さま帰ってきたんだなー』気まずいな、
鉄「そうですね、なんと言っても入学式でしたからね。」
『……行くか…』溜
私は手に持っていた竹刀を元の場所に戻し、乱れた服と髪を鉄平に直してもらうと、サクラに“また後でな”と言い残し…その場を後にした。
リビングに着くと、鉄平が器用に椅子を引いてくれる。
『ありがとう』
鉄「いえ、」
テーブルの上にはいつものように豪勢な料理が並べられ、私の前には母さまがいる。私がテーブルに置かれたお手拭きで手を拭いていると、階段から父さまが姿を見せた。
『お帰りなさい、父さま』
父「あぁ、ただいま!今日の入学式はどうだったかい?」
母「まぁ!それは私もきになるわ!」
『ええ、実に楽しそうな学校でしたわ!』
父「そうか!それは良かったよ、那茅が庶民の学校に行きたいと言ったときはどうなることかと心配だったが、それなら安心した!」
母「そうねぇ!私も安心だわ!」
『え…えぇ、そうね……』