第4章 俺の親愛なる
「あのさあ、蛍君はなんでそんなに性格悪いの?」
怒ってるわけでも何でもなく、私的にはただの純粋な疑問。
蛍君的にはそれが気に入らなかったのか、片眉を上げる。
「なんかイライラしたから」
「ええ?それ答えになってないし、暗に八つ当たりじゃん!」
「うるさい荻原。急にデカい声出さないでよ」
「あ、ごめん。つい...ってなんで私が怒られてんの!蛍君はイライラしたからって態度悪すぎ!もっとさあ、楽しくやろうよ、楽しく」
ね、と蛍君の肩を叩こうとして、実際は二の腕の辺りを叩いた。
蛍君は一瞬私を見て、何とも言い難い複雑な顔をしたかと思えば、まあ、とか、はあ、みたいなどっちつかずの返事を私にした。
「まあ、飛雄ちゃんのことああいう風に言われたのは私も腹立ったけどさ...って、あ、そっか」
蛍君に似せて意地の悪い笑みを頑張って作って、蛍君をからかおうと決意。
「そっかそっか、なるほどお」
「は?なに荻原。その顔なんか腹立つからやめて」