Eve innocence 【D.gray-man】
第2章 始まりの場所
「イブか…よろしく。」
俺は何となくその名前に懐かしさを覚えながら
会ったこともない、女の子に親近感が湧き
醜い手ではない方を差し出した。
「こちらこそよろしくね。赤腕さん。」
そう言ってイブも手を差し伸べた。
「今日は牢に入れられたけどとてもいい日になったわ。」
「??なんでだ?」
赤腕は首を捻っていると、
イブはクスッと笑って
「だって、貴方と会えたじゃない。とても失礼かもしれないけど、私と同じような境遇の人に出会えるのが、私は凄く嬉しいの。」
イブは笑顔だった。
【牢の中だって言うのに、ポジティブな奴だな。俺まで嬉しくなる。こいつともっと話がしたいな……⠀】
「そっか。まぁ、これからもこんな事がここにいる限り続くだろうから、お互いまた話そうぜ。」
「うん!!」
2人にとっては同じ境遇で初めて出来た仲間であった。
その後2人は他愛ない話をしながら、
ゆっくり眠りについた。
この時から、永遠にも等しい止まっていた時間が
動き始めたのであった。