第2章 想い
よく晴れた日の朝
私はスマホのアラームで目を覚ます
『…今日もいい天気ね』
いつものように独り言を言い、
眠気覚ましにスケジュールをチェックする
今日は朝から新作アニメのアフレコ
そして終わり次第昼食をとり
先週最終回を迎えたばかりの水泳アニメのイベントに出演するという流れ
『今日も忙しくなりそうね』
私は洗面所に向かい
冷水で顔を刺激し、毛穴を引き締めるように化粧水を塗る
ついでに髪もひとつに結って
自室に戻りドレッサーの前に座る
『…たまにはピンクもいいかしら』
いつもはブラウンがメインのメイクをしているけど、
『気づいてくれるかしら…』
普段はあまり使わない
ピンク色のコスメを取り、
メイクを進めながら
あの人の顔を思い出す━━
私が心を奪われた
私の人生を変えた人━━━
今は毎日会ってるけど
未だに緊張しっぱなしである
(ま、顔には出さないけどね)
自分を律するためにも
いつもクールな表情を心掛けている
『大丈夫
今日も完璧よ、私』
鏡に映る私に向かって
ポジティブに話しかけるのが習慣になっていた
服も動きやすいように綺麗めなパンツスタイルにして
カバンに貴重品をつめて玄関に向かう
靴箱の上に置いてある車のキーを手に取り
『いってきます!』
私は青空の中へ飛び出した