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イケメン戦国〜桜の約束〜

第2章 出会い


安土も桜が満開になり、突然「皆で花見がしたい!」と言ったのは舞だった。

「…秀吉さんと二人で、の間違いじゃないの?」

「違うよっ!み、ん、な、で!お花見がしたいの!」

「本当は春日山城の皆も呼んで一緒にしたいけど、来る頃には散っちゃってるだろうし…」と残念そうに言う。

上杉、武田軍とは同盟まではいかないが、一時休戦という形で現在は落ち着いている。

舞と秀吉…とおまけに佐助が頑張ったからこそ成り立った一時休戦。無駄な争いを避けることができたのは喜ばしいことだ。

「お花見は賑やかな方が楽しいでしょ?」

「フッ、たまには小娘の我がままに付き合ってやろう。政宗、花見の馳走は任せた」

「お任せを。腕がなるな!」

と言うのが事の発端で、そして現在安土城の皆で花見に来ている。

政宗の手料理を食べながら花見酒も悪くない。

しかし、春とはいえまだ肌寒い季節。日が沈みかけると、寒さは増すため、そろそろお開きにしようとなったその時だった。

「…何事だ?」

異変を感じた信長がある方向に集中し、目を細める。

他の武将たちも警戒しながらその方向を見ると、不自然なほどの桜吹雪。誰もが声を出せないでいると、桜吹雪は信長の傍に近寄り、ぐるぐると花びらを回しながら人の大きさぐらいにまで小さくなっていく。

「…これ、は」

信長が手を出しその桜吹雪を受け止めようとすると、花びらは消え、代わりに人が信長の腕におさまった。いわゆるお姫様抱っこだ。

「…人、だと?」

「信長様、危険です!今すぐにその娘から離れてください!」

秀吉が叫ぶも、信長の腕に抱かれた娘を見て反応したのは舞だった。

「その子の服装…!もしかして未来から来たんじゃ…!」

「…確かに不思議な格好をしておる。また一人、未来からの客人が来たか」

皆が信長の周りに集まり、娘…さくらを興味津々に見る。

「くくっ、また舞のような小娘が増えたか。信長様、どうするおつもりで?」


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