第8章 記憶
政宗公の生まれ変わりはここの神社に来てもなんの変化もない刀を持つまでは。本殿に通す前に疑われる筈なのだが、疑われずにすんなり入れるという。
それに、おばあちゃんがなくなる前にこんなことを言っていた。
『今年来る来客は大事にしなさい』と
そして、最終的に乗り移ったと判断できるのは目だった。言い伝えでは乗り移ったときに、目が両方、綺麗な金色のように色に変化するという。
まさか、碧ちゃんが伊達政宗の生まれ変わりなんて…
驚いて固まっているお父さんに
「どうするの!?」と聞くと碧ちゃんに向かって話し始めた。
父「伊達政宗様、ようこそおいでくださいました。今は昔のような戦乱の世では御座いません。刀を鞘にお納めください。」
冷静に話しかけた。
すると碧ちゃんは何も言わず刀を鞘に納め自分からあった場所に戻した。
良かった…これで切られる心配はない。と安心すると碧ちゃんが私に話しかけてきた。
碧「おい、小十郎は何処だ。」
小十郎と聞いた瞬間、何故か分からないが急に胸がドキッとした。
私が黙っているといないのを察したのか何も言わなかった。でも、私をずっと見ていた。
見つめ返してると少しずつ強い霊力がおさまってきていつもの雰囲気に戻った。
澪「碧ちゃん?」
すると
碧「ん?」
といつもの碧ちゃんに戻っていた。
碧「これ、備前の刀だね。いいなー近くに備前の刀あって羨ましい。」
何もなかったかのように普通にしゃべっている。
もしかしてさっきの出来事を覚えてない
父「お!正解だ!流石だね。満足してくれたかな?」
碧「満足です!大事な御神刀を見せていただきありがとうございました!」
父「どうってことない。澪と遊んでくれるならいつでも境内の中でも遊んで良いぞ!」
碧「ほんとですか!やった!」
学校では見せないとても嬉しそうな顔。
よかった。
碧「あ、もうこんな時間。帰らないと。」
澪「そっか。今日はありがとう!また遊ぼうね!」
碧「うん、遊ぼ!またね!おじさんさようなら!」
澪「バイバイ!」
父「はいよー」
帰っていった。