第4章 チーム
再三、旭さん戻ってこないかなー、とは思いましたが、
「紹介します!今日からコーチをお願いする、烏養くんです!」
別の人が釣れちゃった。
「"あの烏養監督のお孫さん"ってことは、カナと知り合い?」
烏養繋心。
「…顔見知り、かな?」
直接のつながりはないけれど、烏養一繋監督のお家には何回も行ってるし、喋ったこともある。
でも、3年前までだし忘れてないかなぁ〜。
「よーし、そろそろ始めるぞー!!…ってお前、何である!!?」
「…お久しぶりです、繋心くん」
忘れてなかったか。
「「え?」」
澤村先輩はわかるけど、繋心くん??
「……俺、知り合いだったか!!?」
???
「烏養監督のとこに、ちょこちょこ顔出してました。…3年近く前までですが」
沈黙???
「…マジか」
忘れてたの???
「じゃあ、逆に、何で知ってたんですか?私のこと」
何で迫ってくるの!??
「雨丸中学の男バレマネージャーの七瀬羽奏だろ?お遊び部活レベルで完全にノーマークだった雨丸中を、分析だけで県予選ベスト3、北一に僅差で負けるとこまで持ってったマネージャー。ま、1人背の高いヤツはいたけど。白鳥沢が初、マネージャー推薦したって噂、聞いたんだが、何で烏野にいる!?」
そんなこともあったか。そっちは予想外だったなー。
「推薦は来ましたけど、白鳥沢、蹴ったので」
「「白鳥沢を蹴った!?」」
澤村先輩、スガ先輩、ナイスハモり。
はい、蹴りました。
「白鳥沢って確か…県内一の強豪校で」
そうですね、若利くんもいますし。
「影山が落ちたとこ!」
それは知らなかったな、日向くん。
「日向うるさいボゲェ!!あーー!雨丸中って、あの、すっげえムカついたとこか!」
影山くん、その覚えられ方はちょっと。仕方ないけど。
「ムカつくってどんな風に?」
日向くん、そこ掘り下げるの?
「一人ひとりは全然上手くねぇのに、コースとか球種とか、苦手なとこばっか狙われて、って月島!あの、デカくてウゼェやつか!!」
「チョット、僕まで飛び火してるんだけど」
いやまあ、対戦相手だったし、あんだけ煽れば印象つくよ。
「ね、蛍?」
「僕は何に同意を求められてるの?」
「蛍が、煽り属性持ちなこと?まさか、自覚ないとか言わないよね?
…ごめんなさい、冗談だってば、1割弱」