第4章 チーム
……あれ?
「日向くんと影山くんは?」
「今、帰ったよ。予鈴鳴ったし」
「えっ、」
えーー、忘れられた!?
ホントあの2人、何のために私を連れてきたんだろ?
でも、1つだけ。
日向くんは真っ直ぐで眩しくて、目を逸らしたくなることもあるけれど、マネージャーとして、支えたいなとも思うから、
「旭さん、」
優しそうな人。
「バレー、嫌いになった訳じゃないことはわかりました」
だって日向くんの言葉に対して、あんなに情景を込めた目をしていたんだから。
「なら、諦めるの勿体無いと思います。旭さんには、頼りになる仲間が沢山いて、勝手にだけど、旭さんに憧れてる人もいて、きっとみんな、旭さんのこと待ってるんで。……故障でもないのに、たった1試合で諦めるの早いですよ」
エース。
「失礼します」
あーあ、授業遅れちゃうな。
結局お昼ご飯も食べれなかったし。
旭さん、戻ってくるかなぁ?
そんなことより、
「蛍ーーー!!!」
「何、うるさい」
「うるさいって!!蛍が見捨てるから!日向くんと影山くんは話聞かないし!!引き止めないのは兎も角、ニコニコしながら手を振るなーっ!」
ぜぇっ、はぁ、、つかれた。
「で、カナはさ、今授業中ってわかってんの?」
………
「あ」
やば。
「コラ七瀬!遅刻しといて騒ぐな!!ドアを思いっきり開けるな!壊れるだろうが!儂がびっくりするだろうが!!」
んー、日本史の宇治先生、おじいちゃんなのに元気だなぁ。
宇治先生といえば、抹茶アイス食べたくなってきた。
「声に出すなーっ!儂の苗字で抹茶を連想するな!!」
いやー、クラスのみんなには笑われるし、日本史のプリントを職員室まで運ばされるし(蛍も巻き込んだけど)、
「本当、後で日向くんと影山くんに文句言おう」
このプリントの山、重すぎない?
「明らかに、大半日向と影山関係ないし、アイツらのカナへのイメージ崩壊させるだけデショ」
蛍、3分の2運んでるはずなのに、なんでそんな軽々と持ってるの?
「発端は日向くんと影山くんじゃん。ん?私、どんなイメージ持たれてるの?」
「………」
「え、無視?」
「(清楚、小動物、可愛い系?容姿だけのイメージだよね。実際はサバサバしてるし毒舌。実はツンデレってのは、僕が知ってればいいか。)
ほら、行くよ」
いえっさー。