第17章 秘蔵メンバーと時の人
彼女は俺をもし、知っていてくれたら、
淡い期待を胸に秘め、
テヒョンは彼女を目の前に何も言えない。
それは、彼女も同じ事、初めて見る人に彼女は酷く緊張しシヒョクの背に隠れていた。
「えっと、ナムジュンの横にいるのは誰だ?」
そして、追い打ちをかけるシヒョクの言葉に
テヒョンは少し、泣きそうになった。
練習生だけど、知られていない。
きっと、彼女も自身なんか知らないはずだ。
、
憧れの彼女は近いようで、かなり遠く。
彼女の隣にはいつ行けるのだろう。
このまま、農夫として生きるべきだったのだろうか、
やっぱり、分からないよ
……時の人の君には、非公開で誰かも告げられていないメンバーの気持ちなんてさ、
暗く笑いテヒョンは、隣にいるナムジュンの服を掴む。
すると、シヒョクに彼女は言った。
「ヤ!……アボジ……その人、練習生のテヒョンさんだよ……最近、合流した。」
彼女は少し、怒り気味にシヒョクに言う。
テヒョンは彼女の怒りに、顔を上げた。
「悪い、練習生は覚えてなくてな……いつも、サユに教えて貰っている。」
目を見開いているテヒョンに
ナムジュンが2人に聞こえないように呟いた。
「あの子はテヒョンの事、知ってるよ……人見知り過ぎて、関われないから、何時もその人の事を少しでも知りたくて、練習生が入る度に確認してる。」
時の人は遠くない普通の人……
「何時も誰かなんだ。だから…頑張らなきゃ………もう誰かの為に独りで彼女を頑張らせない為にもね!」
彼女はテヒョンの視線に気づき、震えながらに手を差し出す。
「っ初めまして……っパン・サユです……よろしくお願いします。…」
綺麗な声から出るその音をテヒョンは目に焼き付けた。
可愛くて、小さい子………全然大きく無いのに何処か背伸びしようとしてる。そんな彼女は数少ない時間の中で他人を知ろうとしてくれていた。
なら、頑張らなければ、彼女の隣に居たいなら、
彼女のように音楽や人を知る努力をしなきゃ……
「うん!よろしく!」
これが、秘蔵子と時の人の出会いだった。