第2章 彼女の始まり
実に変な男だ。
職員は男が言う程の魅力を彼女に感じられなかった。
だから、止めたのだが、男は彼女にしか興味がないらしい…
確かに、彼女は人一倍顔は整ってはいるかもしれない
が、職員にはただそれだけしか思えなかった。
しかも、日本人である彼女を反日が進むこの世で欲しいなんて言う人いないだろうと
何処かで決めつけていたのだ
「だから、私が引き取ります。あの子の理解者になります。だから、引き取らせてください」
男の熱意に職員は彼女を見る。無表情で、何を考えているか分からない彼女はまた、歌っていた。
あぁ、初めて聞く歌もダンスも彼女は楽しそうに1人でしている。
「あの才能も凄い!今まで気づかなかったんですか?」
7歳という若さにしては、とても思えないほど綺麗な声で、職員は彼女の魅力を少ししれたようなきがした。
「分かりました……手続きしましよう……きっと、貴方の元にいけるほうが、ここにいるより、確かに彼女の為でしようから…」
職員はそう男に言った。男は職員から許可がおりた事を知ると、嬉しそうに彼女を呼ぶ。
『君!!』
『何ですか?』
『君を今日から私が引き取ろうと思うんだ……妻もきっと喜んでくれるはず…だから、君をうちの子にしたいんだが、どうだろう?』
男は彼女に分かるように日本語で言うと、
彼女は意味を理解したのか、はたまた、彼女の両親がもう二度、戻らないことを知っていたからか淡々と、男に質問をする。
『私は、構いません……でも?あなた方が困りませんか?』
男は彼女の質問に手を差し出すとこう話す
『大丈夫だ…私と妻が君を守る…君の名前は?』
『名前…………張磨・紗雪(ハリマ・サユ)』
これが彼女の始まりである。