第13章 ハンサムな彼
かつて…人にこんなに驚かれた事があっただろうか、
ソクジンは目の前でしゃがみ込む少女に思う。
この子、あの子だよね………
「どうしようっ……」
たまたまだ。練習が終わり帰る途中、
困っている少女を見かけた。
道に迷っているのか、ずっと地図を確認している。
それが、目の前にいる彼女だった……
「大丈夫?」
って声をかけただけだが、本当に彼女は人が苦手らしい……少し怯えながらに彼女は彼を見た。
「じゃなくて、迷ってるんだろ?」
「っ……何故、それを?」
「というか、何してるの?女の子1人でこんな夜遅くに……」
時刻は午後7時……
すると、びっくりしていた彼女は罰が悪そうに呟く。
「…っ…あぁ、さっき、新しいメイクさん達に、っ…コーヒーを近くのコンビニで買って来てって言われて、……」
彼女は本気で言っているのだろうか、
何故なら、彼女がいる場所から、コンビニまでは、歩いて5時間はかかる。
きっと、確実にそのメイク達からの彼女へ対しての嫌がらせだった。
「ねぇ?それ、多分、嫌がらせじゃないの?」
「へ?……」
「だって、ここからコンビニまで5時間かかるよ?、」
ソクジンがそう伝えると、彼女は何故か眉を下げ笑う。
「っやっぱりですか……どうりで地図にないわけですね………」
何故、笑える?そこは怒る所だろう。
「怒らないの?」
「どうしてですか?」
「だって、嫌がらせされてるんだよ…嫌だって言わないと!」
ソクジンは彼女の肩をつかみ、そう強めに言ってみたが、彼女はただ笑っていた。
「しょうが無いですよ!嫌がらせをされたって、何をされたって………」
何がしょうがないんだ。
「怖かっただろ?人が苦手で暗闇だって嫌いなのに、こんな夜道!!1人で!」
彼女の目は少なからず動揺している。
「何故、それを?」
「あの3人達から聞いたんだよ……君のこと」
絶対、怖かったはずなのに、
気づけば彼は彼女の手を握っていた。
震えていたから、彼女が泣きそうだったから……
「全く、疲れてるから、早く帰りたかったんだけど……行くよ!」
「っえ?………」
「なんか、君が、言われっぱなしなの僕がムカついたから…………」