第13章 ハンサムな彼
彼女は随分仲間に信頼されている。
ソクジンは2日目だが、そう感じていた。
「サユ…また、仕事かー…大変だよね」
「まあ、俺達のグループに入るんだから、それまでは、仕事しなきゃいけないらしい……」
「残ってのいっぱいあんだろ?無理しねぇといいけど……」
彼等に愛される彼女は一体何者なのだろう。
気になり、ソクジンはその夜、隣で眠るユンギに聞いた。
「ねぇ?ユンギ…あの子って何者なの?」
「ジンヒョン?あぁ、あいつですか、そうですね……ヒョンまだ、あいつに正式にあってませんもんね……で?どうしたんですか?急に」
「ヤ〜!それを言わないでくれよ……でも、気になるんだ…何か、」
彼女が気になるソクジン
それを聞くと、ユンギは笑った。
「ヒョンって、本当に音楽やって無かったんすね……」
「何だよ…急に!」
「だって、音楽してたら、嫌でもあいつの名は聞いてたはずだから、」
「え!?あの子ってそんな有名人なの?」
「世界的歌姫、サランなんですよ彼女……」
「え?世界的スターだったの?」
「だったんじゃなくて、今もです。」
ユンギは何も知らない。ソクジンに呆れつつ、彼女の事を騙り続ける。
「それと、ヒョンも結構前のだけど、ニュース見たことないですか?あの、子供監禁事件、」
その事件は覚えている。嫌でも、世間が騒いでいたし、学校でも、有名だったから。
「あぁ、あるよ…ひどい話だって思ってたから………」
「それ、あいつなんですよ……」
「え!?」
ソクジンには2度目の衝撃だった。
彼女はそんなに辛い人生を歩んでいたのかと………恐らく彼女は自身よりかなり年下のはずなのに綺麗なダンスを男の中で、負けないくらい力強く踊っていたから、
ソクジンには、彼女は何処かで、伸び伸びとした人生を歩んでいるのだと思っていた。
だから、そんな人生を歩んでいるなんて、考えもしなかったのだ。
普通に素敵な家庭で、ちゃんとしたレッスンをしていた子かと思っていたのに…
「あいつ、今、PDに引き取られて、PDは始めて会った時、随分大人びた子だなって思ったみたいなんですよ……
でも、違うんだって言ってました。
そう見せてるだけなんです。
人が苦手で、暗がりが怖くて、泣くくらい弱いやつなんですよ……」、