第24章 宿舎
宿舎についてから、皆の視線を感じる気がする。
彼女はそう、ソクジンの料理を待ちながら、猫のリュックを抱きしめた。
兄達は思う。
いや、多分、俺達の事気にしてくれてるのかもしれないけど、
逆効果だよ……サユ……可愛いよ
兄達はそれぞれ、顔を反らした。
ほんとに皆、彼女にゾッコンだ……
そう、彼等は家族で、チームで、
そして、恋のライバルである。
すると、彼女が隣に座っている、ホソクの服の袖を引っ張った。
「うん?サユ…どうしたの?」
「ホソクオッパ……やっぱり、私が一緒に住むの嫌でしたか?」
「どうして?そう思うの?」
ホソクの言葉に彼女は不安げに笑った。
「だって、なんか…皆が…遠いから……」
彼女の笑みにホソク彼女の頭を撫でる。
まぁ、皆、緊張しているからね…
「違うよ、皆緊張してるんだと思うんだ」…
「緊張?どうしてですか?」
ホソクは皆が彼女の事が好きだからとは伝えられる訳もなく。
ただ見つめると、今度は彼女が目をそらす。
「っ……なんで、そんなに見るのですか?」
「さあ、なんでだろうね?だけど、俺達はサユの事が嫌なわけじゃないから」
ホソクの手の温もりを感じながら、
彼女は下を向き笑った。
「そうですか……なら良かったです!」
彼女は幸せであって欲しいから、
そんな彼女の為に彼等は彼女への気持ちを胸にしまい続けよう。
だが、知らなかった。あんなことが起きてしまうなんて、この時はまだ。
誰も知らなかった。