第3章 彼女が家族になった日
ハジェは、彼女の言葉ににふと彼女の事を考える。
親に虐待され、彼女が言うように生まれてきてくれる瞬間、彼女もハジェの子と同じように頑張ってくれただろうに……彼女は悲しくないのだろうか、知らない土地に1人残され、
彼女は私の言葉をどう受け止めたのだろう。
最初に来たあの日、突き放した私がどう見えたのだろう。
他人の話で泣いてくれるこの子は
いつ自分の事で泣いたのだろう。
思えば、知らなかった。
彼女がどんな境遇であるのか、どうゆうふうに来たのか、
新聞やらニュースやらでは確かにやっていたが、知ろうともしなかった。
だから、ハジェは彼女を力いっぱいに抱きしめる。
『私、あの子の親にはなれなかったけど……その分、貴方の親になれるかしら……』
「違います……貴方は立派なその子の親ですよ……」
指で伝え、指で返す会話は、2人を家族にするきっかけになった。
『私ね、女の子が欲しかったの…でも、その子は男の子だったんだ。』
「そうなんですね…お名前はなんだったんですか?……」
『名前はね……サンイル……日に向かうように先に進んでいってくれるようになってという意味でつけたの……』
「そうなんですね…とても…素敵な名前です。
なら、私はサンイルくんの姉になるんですね……じゃあ!弟に恥がないよう頑張らなきゃいけませんね!」
『ふふっありがとう…』
2人は笑ったそして、誓う。誰よりも幸せな家族になろうと