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紅月恋

第1章 夜這い


神崎編

 仕事終わりに携帯に電話がかかってきた。相手は神崎くんだった。なんでも明日はお休みがもらえたようで、よかったら家にお泊りに来ないかというお誘いだった。

「お邪魔します」
「そんなにかしこまらなくてもよいのだぞ?」

 家に一旦寄って、お泊りの用意を持ってから神崎くんのお家に向かった。神崎くんはご実家と別に住んでいる家があって、普段はそっちで生活している。ご実家にいる時はお家の仕事をしに行く時や結納の準備で行ってる。

「今日はたくさん作ったのでな、一緒に食べよう」

 神崎君はいつも優しい。お料理も私より上手だし、綺麗だし、カッコいい。はっきり言って、なんでお見合いをしてたのかわからない。神崎くんなら選り取り見取りだろうし、きっと好きな人がいたらその人と結ばれることは間違いないだろうに。

「そういえば、この間シャンプーのCM見たよ。すごい綺麗だったね」
「ああいうものは初めてだったが、なかなか新鮮で面白かったぞ」

 一緒に夕飯を食べて、お片付けをしながら他愛のない話をしていると時間はあっという間だ。

「先に風呂に入ってくると良い。我は先に済ませたからな」
「そう? じゃあ、お言葉に甘えて…」

 荷物を持ってお風呂場に行った。もしかしたら今日は久しぶりにするかもしれない。考えれば考えるほど恥ずかしくなってきた。つい菜子さんとあやさんと買ってしまったベビードールも着て、でも恥ずかしいから上からパジャマを着て誤魔化した。

「お風呂、ありが…」

 戻ったら神崎君は寝ていた。当たり前だけど、私よりも忙しいから疲れて寝てても仕方がない。近くに置かれていた上着をかけてあげた。

「いつもお疲れ様」

 寝室の方を覗いてみるともうお布団が2つくっついて敷かれていた。これを見るとやる気満々だったのかなってわかると嬉しくて恥ずかしかった。
 でも、眠っている神崎君を起こすのは忍びないし、寝れるうちに寝ててほしかった。

「馬鹿みたいだな…」

 中途半端に期待した身体はその気だ。恥ずかしながらだけど…でも、1人でするにはここでは恥ずかしいからまたお風呂に戻るとした。
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