【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第24章 接触
「よし…決まった…!」
そのポツリと呟いた雅の言葉を聞いて、ベルモットはボタンを押す。やってきた店員に注文を告げた。
「私はホット」
「えと、私、アイスレモンティー…」
「かしこまりました。」
そうして軽く会釈をして店員はその場を離れた。2人きりになった時だ。机に頬杖を突いてベルモットは雅に聞いていた。
「……さて。何から聞こうかしら…」
「あの…今日はどうして…」
「私、あなたが気に入ったの。バーボンから聞いて無い?」
「それは…」
「クス…大丈夫よ…取って食おうなんて考えてないわ?」
そう言うとベルモットはサングラスを外し、そのエメラルドグリーンの瞳でじっと雅を見つめている。にこりと笑うと、話を続けた。
「バーボンがいたくあなたの事を気に入っているから。どんな人何だろうというのと、初めて会った時のあなたの反応。それでいて屈さないその度胸。気に入ったのは本当よ。」
「…興味本位って感じですか?」
「クスクス、そうね。」
「でも、私もそうやってはっきり言ってくれて嬉しいです。『なんでなんだろう』といつまでも思ってなくてもいいし。」
そう言う雅の顔を見てベルモットは改めて目を丸くしていた。何だか今までの『一般人』とは様子が違ったのだ。それは自身の正体でもあるシャロンとしての対応でも、ましてや、ベルモットとしての組織の仲間の対応とも違っていた。
「あの…ベルモットさん?」
ふと声をかけた時だった。オーダーしていたドリンクがやってくる。それを見て2人は同時に頭を下げた。
「ねぇHoney?あなた、私の事怖くないの?」
「…えと…怖くは無いです。」
「バーボンからなんて聞いているかは解らないけど、これほどまでに損得なくほぼ対等に話してくれるのは、あなた以外には1人…」
「バーボン…ですか?」
「いえ?組織の中には居ない。」
「…そうですか…」
「えぇ。でも、良い人よ?そして、あなたが加わった。」
「私、…でもベルモットさんのがよっぽど年上ですし…」
「関係ないわ?私はあなたが気に入った。あなたもこうして話してくれる。それで十分でしょ?」
「……そうですけど…」
「それからさっきも言ったけど『ベルモット』……呼び捨てでいいわ?」
「そんな…」
「構わないわ。そう呼んで。」
そう言い珈琲を一口飲んでいた。