【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第24章 接触
そしてそれぞれに不安を抱きながらも、ベルモットとの約束の日はやってきた。その日の朝早くに雅の携帯はメールの着信を知らせる。
「…ッ…ん、誰…?」
そう思いながらも受診したばかりのメッセージを開ける。
「…げ…、なんか長い…」
そう、それは降谷からの物だった。そこには箇条書きでベルモットとの会う際の注意書きが書かれていたのだ。
「こんなに注意って…でも、ざっくり言ったら公安だってばれるなって事…位?」
そう思っていた。それに加えて携帯の着信は切っておけとの事だ。
「どうして携帯OFF??」
そこだけは疑問に思った雅。降谷に返事を入れた。
『色々と解りましたけど…どうして携帯OFFなんですか?』
『色々と足が付く可能性がある。それに仕込もうと思えばいくらでも簡単に仕込める。』
『仕込めるって…零や風見さんじゃあるまいに…』
そう返事を返して直に、降谷からの着信があった。
「もしもし?雅です」
『俺だ。』
「はい、おはようございます」
『気を付けてくれ、本当に。君の命に係わる事になるかも知れないんだ。』
「命って…」
確かに誰彼かまわずに殺す事、それが例え組織の一員であっても殺す事に躊躇う事をしないものも居るとは聞いた事がある…それでも…
『…聞いてるか?』
「…え、あ。はい。解りました…気を付けます。」
『…それじゃぁ。』
そうして切れた通話。雅は首をかしげながらも支度をして家を後にする。マンションを出ると、そこには1台の車があった。
「…ってか、何で?」
「やっぱり。車で行くつもりだっただろう」
「そりゃ…でも、零が何でここに居るの?さっきまで電話で話してたのに」
「ここから話してた。何か問題でも?」
「…ッッ問題は…ないけど…」
そう俯きながらも答える雅にふわりと笑いかけると助手席に乗る様に促した降谷。そのまま東京駅に向かっていった。その道中にも色々と話を聞かされている。
「……だから、もし最悪名前を聞かれたら、ポアロでの名前を名乗っておいてくれ。」
「解りました。そうします。」
そうしてどれくらいした頃か。待ち合わせの20分前には駅に到着した。車内から目を凝らしている降谷の目を見た途端に雅は少し驚いていた。今まであまり見た事のない顔だったからだ。