【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第21章 レフティーの重き代償…
リビングに入ると雅を追い越して降谷は上着をかけ、ネクタイを緩める。
「あの…ッッ…」
「……」
(当然…怒ってるよね…)
「私…今日帰ります…」
「……」
(……何かいって…?…零…)
「…ごめんなさい…やっぱり今日はかえ…ッ」
ドサリと鞄を落とした雅。気付けば降谷の腕の中に居た。
「君は…バカなのか?」
「……ッッ」
「言いたい事も解る。だけど、そんな戦い方でなくとも、他に戦い方だってあっただろう…!!」
「…零…ッ」
「どうしてあんな奴に…・・君の…雅の体を見せなくては成らなかった……」
「…ッッ!!」
「どうして脱がなければならなかった…」
「零…苦しい…よ」
「少し位我慢してくれ…」
抱き締める腕に力が入る。泣きそうで、震える心を温めるように…
「無茶な戦い方なんて…するものじゃない…確かにあの時間ギリギリの雅の言葉に僕は助けられた。だけど…!そんな事になってるなんて…」
「でもあの時はあぁするしか…」
「僕が不甲斐無いせいで…」
「零は…そんなじゃない…」
「……怖い思い…させた…」
「そんな事ない…」
ゆっくりと体を離すと雅のジャケットを脱がせる…そっと首筋に唇を寄せ、キスを落とした…
「どうして君は…そんなに無茶ばかりするんだ…」
「ンァ…」
「もっと…大事にしてくれ…」
「……れ…ぃ…」
「君に触れていいのは…雅を全て見ていいのは…僕だけだ…」
「零…ッゥ」
「本当なら閉じ込めておきたい…僕の腕に…他の誰の目にも触れない様に…」
「ァ…」
時折カリッと歯を立て、唇で甘噛みをする…その度に雅は軽く吐息と共に声が上がる…
「見られた…だけか?」
「ん…」
「触れられては…無いか?」
「…ん」
「…・・どこまで脱いだ…」
「それは…」
「言え…どこまで脱いだ…?」
「……スーツと…ン…シャツ…」
「……ッ…ふざけたマネを…ほぼ全部とは……」
「ごめんなさ…ン」
プチン…プチンとボタンを外しながら、唇を滑らす降谷。パンツもファスナーを降ろし、床に落ちる。しかし微かに震える雅。水野に嘲笑い、見られたあの目が思い出されるのだ。
「雅…」
そう名前を呼ぶと降谷は腰を抱き、頬を包み顔を上げさせた。