【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第19章 遭遇
それから着替えて降谷に送ってもらいながらも署に着いた。
「そうだ、これ」
「え?」
「風見と一緒に休憩のときにでも食べたらいい」
「いいの?」
「あぁ。その為に買ってきた。」
「これ…羽田限定の!!キャラメルサンド!!」
「知ってるのか?」
「羽田お土産ナンバーワンですよ?」
「そうだったのか…」
そういい笑いながらも受けとって、2人は別れて行った。署内に入り、風見を探す。すると奥の方からやってきた。
「あ、風見さん!おはようございます!」
「おはよう。えらく機嫌がいいな?」
「これ!今日一緒に食べましょ?」
「これって、成瀬?羽田限定って…」
「降谷さんからのお土産です」
「降谷さんって…帰ってるのか?」
「はい、私も昨日駐車場に居てびっくりしました。」
「そうだったのか。それでこれ預かってきたと」
「はい!1人で食べるなって言われてます…」
「確かに…クス、それで降谷さんは?」
「出て行きましたよ?」
「そっか。」
「淋しいですか?」
「そうじゃない。報告する事があってな」
「それなら普通につながるかと…」
「ありがとう、」
そうして風見も降谷の帰国を知った。
―――――・・・
それから数日の間は何もなく、通常に日々は過ぎて行った。これと言った大きな問題も、事件もなく、通常の取り締まりであったり捜査だけだった。
この日もそうなる…筈だった。
定時で上がり、雅は買い物に繰り出していた。車は点検に出してしまっている為歩いて移動していた。
「やっぱ代車借りた方が良かったかなぁ…」
そう呟きながらも買い物を終えて店を出た。
「…はぁ…・・キャ!」
「あら、ごめんなさい…大丈夫?」
「私の方こそ…ボーっとしてて…」
そうしてぶつかった相手に必死になって謝った雅。ふと顔を見た時だった。
「…・・ッッベルモ…ッッ」
「………?!」
一瞬言いかけた雅の顔を見る。そう、その相手はベルモットその人だった。急いで立ち上がりその場を去ろうとしたものの簡単にそれは無と化した。
「…まって…あなた…何者?」
「いえ…あの…人違い…すみません」
しかし、ベルモットは雅の手を離そうとしなかった。
「ちょっと…いいかしら?」
そう言うと有無を言わせないままカフェに入って行った。