【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第18章 ギフト
そっと降谷は後ろから包み込む様に雅を抱いた。そのままの状態で問いかける。
「そう言えば…何だった?」
「何って?」
「1週間後に帰ったら会いに来てってことは何かあったんじゃないか?」
「あの…それは……」
「ん?」
「……誕生日…にね?お祝いできなかったから…それに…本当はもっと早くに準備できてたんだけど…」
「ん?」
「ほら…私が零の所にきて…2年経ったって…今までの感謝とかいろいろと込めて…その…」
「何?」
「誕生日が近いって解ってたらもっとちゃんと別の……用意しようと思ったんだけど…」
「……?」
腕の中で俯き加減に雅は話し出し、前に回る腕にそっと触れた。
「いらないかなとか…色々思ったんだけど…」
「何?…いらない訳無い。だって雅が一生懸命選んでくれたものだろ?」
「うん…」
「今は?」
「持ってない…1週間後にはちゃんと持って来ようって思ってて…お家にある…」
「そうか…でも、誕生日のは貰ってる」
「上げてないよ?」
「…いいんだ…こうしてもう俺の腕の中にあるから…」
そう言うとそっと後ろから首筋に唇を寄せる降谷。そしてその手はまたしても雅の胸もとに届いている。
「雅が居てくれてそれ以上何を望む?」
「……ッッ」
「去年にはなかった最高の時間だよ…」
そう言いながらも雅を離し、ばさりと掛け布団を掛けながら再度覆いかぶさった。そのまま上から見下ろし、そっと呟いた。
「雅…愛してる」
そういう降谷の頬に手を重ね、雅もまた引き寄せた。
互いの鼓動を重ね、唇を重ね合う…
そのまま、またしても疼き始める雅の体に応えるかの如く、降谷は愛撫を重ねた。
何度も…
夜が明けなければいいと、子供じみた願いを抱きながら…
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