【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第3章 むぅぅぅ…
「成瀬?キリついたか?」
「あ、風見さん…はい。」
「それ終わったら降谷さんから食事行けと言われているだろう?」
(そんな風見さんにまで手を回すとは…)
「出るぞ。」
「風見さん…ポアロ来いって。」
そういうと雅は降谷から来ていたメールを見せた。ポアロか…と呟いて、頭を掻くと『仕方ないな…』
と2人揃ってため息をつき、雅は諦めたようにパソコンを落とした。
風見の車に乗り込みポアロへ向かう途中、風見は雅に訪ねていた。
「そういえば…降谷さん何か言ってたか?」
「何かって?」
「ほら…跡付いてること…とか。」
「あの人が言うわけないですよ!!全く…本当に…」
「その、なんだ…一緒に来たって言ってたな。」
「はい。」
「降谷さんも…泊まったんだよな?」
「はい。」
「何もなかったか?」
「何もって…?」
「その。…いや!何でもない。」
「…もしかして今朝の私と一緒かも。」
「え?」
「私も聞いたんです。朝起きたら横に居たんで『何もないですよね!』って。そうしたら降谷さん…『君の思ってるようなことはない』って言ったから…」
「一緒に寝たのか!?」
「私にとっては不可抗力以外の何ものでもないですよ!そりゃ…送ってくれたのには感謝してますけど…」
そんな状態で今から成瀬とポアロへ行くのか…そう考えただけで風見ははぁっと小さくも長い溜め息を吐いた。
カランカラン…
心地よくも軽いチャイムの音を鳴らしてドアが開く。中から『いらっしゃいませー!』と元気な女の子の声…
「空いてるお席にどうぞ!」
そう促されながら風見と雅は奥に入っていく。店内は時間的なこともあってか案外に混んでいた。
「ご注文決まりましたら呼んでくださいね?」
そういい愛想良くお冷やの入ったコップとお手拭きをおいて、その女性は一旦離れていった。
「何にします?」
「そうだなぁ。パスタ?」
「パスタ!好きそうですね!時間は今日ありますし。」
「成瀬は?」
「…んー。。。」
パラパラとめくりながらも雅の決まるのを待つ風見。よしっ!といった一言で手をあげた。