第15章 愛し君に… シンドバッド [完]
裏路地廃墟_____
『誰か来た…』
は頭の布を巻き直すとその部屋を後にする。
シンドバットside
シン「ここが取り壊し予定の廃墟か…」
ジャー「はい、結構古いですし…建付けも危ないので」
そう言うジャーファルの足元の床が崩れた。
ジャー「この様に…足元には注意してくださいよ?シン。」
シン「なるほどな。これは危険だな…」
自分の足元を確認しながら歩いていくシンドバット。
シン「ん?ジャーファル…ここは廃墟なんだよな?」
シンドバットは足元を見たまま動かない。
ジャー「えぇ、こんな危険な所誰もいないはず…」
ジャーファルも自分足元を見る。
シン「真新しい足跡だ。しかもこれは…出入りしてるぞ…」
シンドバットは足元の足跡へと触れる。
テテテテテテ_____
ジャー「足音……ですね。」
辺りを見渡すジャーファル。
シン「近いぞ!」
シンドバットも辺りを見渡す。
ジャー「シン!上です!!!」
シンドバット、ジャーファルのさらに上の階を走る人影。
ジャー「大きさ的に子供ですね…危険です。子供の重さでも床は崩れやすくなっています!!!」
シンドバットにそう伝えるジャーファル。
シン「君!止まってくれ!!」
シンドバットがそう声かけるも子供は止まらない。
ピシィ_____ボコンッ……
『わッ!!!』
子供の足元が崩れシンドバットの階まで落ちていく。
ジャー「危ないッ!!!」
子供は空中で回転しながら体勢を立て直し両手両足で着地する。
シン「ジャーファル行くぞッ!!!」
シンドバットはジャーファルと共に子供の元へ走る。