第11章 水氷の姉妹 シンドバット [完]
紅玉「もう少しでシンドリア王国よぉ〜??」
『ひゃあッ…紅玉姉様…本当に行かれるのですか~?』
嬉しそうに笑いかける紅玉に対して小さな悲鳴をあげ怯えた顔で紅玉を見る。
紅玉「シンドバット様は良い方よぉ!そんなに心配しないで、気楽にしてなさい。
それに、せっかく迷宮攻略者になったのにまだその弱虫は治らないのねぇ?」
ふふん!と前を見据える紅玉。
『こ、紅玉姉様…迷宮はたまたま相性が合っただけで…私の実力では…』
八芒星の刻まれた扇子を持ちはオドオドと話す。
紅玉「でも、一人で行って帰って来たのよ?もっと自信を持ちなさい。」
背を向けたまま言う紅玉。
『はい、紅玉姉様。』
キュッと扇子を握りしめる。
夏「姫様方、シンドリア王国に間もなく着くとのことですよ。」
紅玉「あらぁ。夏黄文いたの?」
紅玉は悪い笑みを浮かべ夏黄文をからかう。
夏「ずっとおりましたよ!」
夏黄文は涙ながらにそう言う。
紅玉「冗談よぉ!」
紅玉は笑っていたが夏黄文は今だ泣いていた。