第1章 覇王と少女 [完]
「は…ジャーファルが好きなのか?」
『……?』
シンドバッドの問いにの手が止まる。まん丸の大きな目を一度ぱちっと瞬きして不思議そうな顔をした。
『ジャーファルもシャルルカンもみんなだいすき…はみんながすき』
「そうか」
『でも……』
微笑んだシンドバッドとは裏腹には俯いてきゅっと手を握った。
『でも…がいちばんだいすきは…しん』
「そうなのか?」
『うー。しんがいちばんだいすき。いちばん、いちばん。しん見つけなかったら…はしんでた』
こわくて…こわくて…
ひとりぼっち……
でも
おっきな手でをだっこして
やさしく、なでなでしてくれた
『しんすき』
だいすき。
だいすき。
、ひろったしんが
『だいすき』
笑顔になるの頭をそっと撫でたシンドバッド。
その瞳は愛おしそうにを見つめていた。
[完]