第9章 及第点。
.
「木兎が気遣えるなんて思わなかったー」
「…え?」
教室に帰る間、雪絵ちゃんが口を開く。
「まお、前に面倒な同学年いるって話
してよね?多分あのクラスでしょー?」
「うん…そうだったみたい」
「でね、まおの顔色変わったの気づいたんだけど
その前に木兎が気づいたみたいで
目の前に来たんじゃないかなー?」
「…そうだといいな」
理由は如何わしいものだとしても、嬉しかった。
あっという間に教室に着いたけど
なんだか今日は充実した、気がする。
明日から、やっと部活だ。
春高予選の練習になるだろう。
また明日から木兎、赤葦くんと帰る日が
続くんだろうなと思う時楽しみだ。
早く明日にならないかな、そう思いながら
残りの授業をまじめに聞くことにした。
.