第9章 及第点。
.
「……やっぱり、まおは出来る子だー」
「雪絵ちゃんもそう言いながら
同じくらいの点数じゃない」
「そーだけどー、まおの方が出来る」
「そうかな?変わらない気がするけど」
ただでさえ学費が高いこの学校、学力に
応じて免除の対象が増えるのなら
勉強が出来ないより出来た方がいい。
元々勉強するのは嫌いでは無かった。
と、言うより勉強以外する事が無かった。
スポーツもやりたいわけではないし。
「勉強出来るのも才能だよー?」
「そうかな…特にやりたいこともないし」
「まおは偉いよー1人で住んでるし」
「実家に居たくなくて少し遠くの学校って探したし
自分が望んだことだから偉くはないよ」
「んーん、そういうところだよー」
隣の席の木葉くんも、点数が良かった。
ただし、授業中に寝る事が多くて
最近ではよくノートを見せてる気がする。
ちゃんとすればいいのに。
木兎の時は何とも思わないのに
人が変わるとそんな事を思ってしまう。
.