第16章 高揚。
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「………帰りたくねえ」
「帰りなさい」
「いやだ!こんな可愛い彼女1人残して
家になんか帰れるかよ!!!」
「待ってうるさい」
1人で住んでる理由は、聞いてこないから
敢えて私から言う事はない。
いつか、聞いてくれれば、
「ん〜、たしかにさすがに今日も泊まるのは
まおにも悪いし、てか家に言ってねえし
まずいから帰るかなー……」
「そうそう、家族の人も心配するし
明日、迎えに行ってあげるから、朝」
「マジで!!?!?」
目が、怖いくらい爛々としてる。
コレは絶対に行かなきゃいけないやつ。
「……寝坊しなければ」
「絶対来て、てか来なければ俺から来るけど!」
ワハハ!といつもの様に笑う。
そしてさっきとは打って変わってフワッと
微笑んで、キスを落としてくる。
「んじゃあ、帰るわ。
しといてなんだけど、ゆっくり寝ろよ!」
「うん、おやすみ、気をつけてね」
「大丈夫!じゃあまた明日な!」
そう言って、光太郎は帰っていった。
あ。
光太郎が買ってきたお菓子、結局
食べず終いだ。
何が入っているのかも見てなかった。
ポテチに、ポテチ。
味が違うだけだ。
気づいたら声を出して笑っていた。
明日、持って行ってあげよう。
鼻血ブーだったけど、なんだかいい日だった。
そう今日を振り返りながら幸せな気持ちになった。
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