第16章 高揚。
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「……適当に掛けてていいよ」
「んー、まおこっちきて」
有無を言わさない瞳。
そんな眼で見られたら、逆らえない。
少しだけ不貞腐れながら隣は座る。
正直、押し倒されるのかと思ったけど
違うみたいで力強く抱きしめられる。
「う〜!今日部活寂しかったんだぞ!
頑張ったけど!みんな良い奴らだから
好プレーは褒めてくれるけど!
お前がいないってだけでしょげるわ!」
驚いた。
気になってから付き合う前はなんだかんだ
毎日部活に行っていたからかもしれない。
それが当たり前となった矢先、
私が顔面でボールを受けて鼻血ブー。
帰宅を余儀無くされた訳だけど。
「部活中イチャイチャしてえ訳じゃ
ねえんだ!バレーも好きだし!
でも、まおが居ないのは嫌だ」
「…ごめんね、気をつけるね」
「いーや!今日のは仕方ない!!
それは俺も分かってんだけどさ!!!
…まだまだ子供だなって思う訳よ」
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