第15章 静寂。
.
自然と手が下に伸びた。
彼氏のジャージの匂い嗅いで
一人でするって、すごく変態じゃん。
「……ッは、」
正直、一人でするのって好きじゃない。
ただただ切なくなる。虚しい。
でも。
「…っ♡♡…んん」
昨日の光太郎がチラつく。
やらしい音が自分の下半身から聞こえる。
手は止まるどころか、早くなっていく。
あ、クる。
「………っあ♡♡♡♡」
身体がビクビクと震えて背中が仰け反る。
はっ、はっ、と息が整わない。
すごい、部屋が静かだ。
———トゥルルルル、トゥルルルル
自分の携帯が鳴って驚いて起き上がる。
電話が鳴るなんて、久しぶり過ぎる。
− 木兎 光太郎 −
今、まさに話ししてはいけない人から
掛かってきている。気がする。
.