第11章 珪線石の足音
収拾のつかない事態にエリス嬢までもが召喚され、リアを宥める、宥める。
「チュウヤはものすご〜〜〜くリアの事が大好きよ??ね?」
『いっしょにいるのやなのにいやいやいたもん』
「嫌じゃねえって」
『きらぃ……だか、ら、ほかの人とばっかなかよしするし』
「中也君がリアちゃんより仲良くしてる子居ないでしょ」
『だから二ヶ月捨ててみたんでしょ……?』
ナチュラルに毒を飲もうとするのを首領に取り上げられ、挙句どこから取り出したのかも分からないワイヤーを首に巻こうとするので異能でちぎって短くする。
次から次に自殺を試みるな、どこの太宰だよマジで。
しかもあいつより覚悟も決まってる分タチが悪ぃ。
『ぁ……じゃ、じゃあ何の自殺なら許してくれる……?』
「まず自殺をするんじゃねえ、いいか???」
『分かった』
なんて言って俺に拳銃を持たせ、目を閉じてから銃口に頭をくっつけてきやがるので木っ端微塵に銃を粉砕する。
「他殺もダメだ、まず死のうとするのをやめろ。分かった??」
『どっち道嫌われてるなら死んだ方が楽じゃない』
「嫌ってません」
『わ、わかった、もうちょっと大きくなるまで待ってからの方がお金になるし「おまえのその知識はどっから持ってくるんだよマジで」だってパパもママもそうしてたから』
首領から飛んできた肘鉄が鳩尾に入る。
「ごめんねえリアちゃん、中也君がデリカシー無いこと聞いて。でもとりあえずそのビンは没収ね」
『ポートマフィアのお金になって貢献したらきらいなのなくなる……??』
「お金になるよりうちにいて元気で過ごしてくれている方がよっっっっっぽどの貢献だよリアちゃんは。ねえ中也君、リアちゃんが隣で元気でいてくれるだけでこの世で一番大好きだよねえ???」
凄まじい圧を感じて姿勢を正し直し、彼女に向き直ってもちろんですと言い切った。
「中也君、リアちゃんのこと宇宙で一番大好きだよね!!?」
「はい!!」
「中也君!!!」
なぜかリテイクを重ねられ続けるのだが、首領の意図を察してハッとした。
そうかそうか、そういう事か。
「俺はリアちゃんを宇宙一可愛いと思っているし大好きです!!結婚して嫁にして一生幸せにしたいと思っています!!!」
『……けっこ、…………????♡』
「中也君!!!?」
「あれっ、違いましたか!!?」