第9章 蛍石の道標
『ふ、あ…ぁ…ッ』
ふわふわした長めの毛に触れてみたり、毛並みに逆らって撫でてみたり。
ゆっくりと繰り返すうちに、感じる度に体が強ばっていたのさえ解れて、腰が動き始めるようになる。
目を閉じて、感覚に集中して、脚をたまに擦り合わせたりなんかして。
ぴく、ぴく、と反応する尻尾は素直なもので、まだまだ満足はしていない様子。
どころか時折早くしろと俺に強請ってくる。
「なァに自分の手にキスしてんだ、それすんなら縛んぞ」
『っひ!?』
それで感じるあたり出来上がってるよなぁ…
『だ、て…中原さ、キスしてくれな「中原さん?」ぁう…、ち、ちゅ…う、や』
顔を手で隠してしまうのでそれに触れて退かすよう促してみれば、じわりと涙を滲ませて、しかしどこか興奮したような表情。
「何、俺の名前呼んで泣いちゃってんの?かわい、」
チュ、と耳にキスするのに嫌々と首を横に振る。
我儘…まあ我慢ならねえだろうけど。
『………、歳上、の人呼び捨てとか…しない、の…っ……、なん、か悪いことしてるみたいで、その…』
「…背徳感あって興奮する?」
ざわ、と空気が変わる。
ハッとしたように目をまん丸にして、それからコクリと素直に頷いた。
そっちの感覚はまだ早かったか、純情乙女には。
「そうかそうか、まあ泣いちゃうくらい可愛いリアさんにはサービスで許してやってもいいが」
『…キス、』
「白状するならいいけど?」
『だ、から…隠し事してない』
ダウト。
ショートパンツに入れられたシャツの裾を外に出して、脇から手を侵入させれば柔らかな膨らみとそれを覆い、支えるにたどり着く。
そのままそれを可愛がるように撫でていくとまた、もどかしそうな声を漏らす。
このままずっと見てられるけど、こいつからしてみたらとんでもない地獄…もしくは興奮材料だろう。
『っふ、は…ぁ、あッ……!?っんぅッ…な、んでぇ…っっ』
一通り胸を撫でた後に指を滑らせ、腹部、下腹部…それからショートパンツ、ショーツの中へと入っていったところでまた胸にもどる。
既に泣いているその声で抗議されるのに、余計に乗ってきてしまうのだが。
「おもらししたきゃしていいぞ?見ててやるから、可愛いとこ」
『ッ…ゲスが、お!』
指先までぶるぶる小刻みに震えてる。
後もう一押し。
「脳イキストップ。俺の言うこと、きけるな?」