第8章 タイムリミットとクローバー
「…元々、そのつもりでいる…から、その。…嬉しいし、…好きだよ、俺。まだ足りない部分もあるかもしれねぇけど、俺もリアのために生きたいって思うよ」
『!、っぅ、ぁ…ぅん…ッ』
そうか、そういえばちゃんと言ってはなかったっけ。
…いや、彼女から聞いていなかったっけ。
改めてというか、今の俺に向けて告白してくれたリアの言葉は素直なもので、その人間性がいかに素敵なのかを俺に感じさせてくれる。
そんなこと、わざわざしなくたって、元々恋人だったのならそのままいるのが普通なはずなのに。
それを、俺という一人の人間を尊重し、重んじてくれて、受け入れてくれたのだ。
そこまでされていいような人間じゃ、ないはずなのに。
「…、っ」
ふと、いつぞやに彼女からその気持ちを告げられたのが頭を過り、何度も反復してそれを思い出せるようになっていく。
それを、先程残夏と話しているうちに思い出した、自分が覚悟を決めてこの子を護っていくと宣言した日のものと、合わせて。
本当に、男前な奴。
かっこいいよお前は。
「身体、無理させてねえ?」
『え…うん、……いつもより優しかったし』
「いつも俺に何されてんのお前…いや、ナニされてんのマジで」
『…意地悪なこと』
いい笑顔で、言ってのけるそいつは幸せそう。
成程、多分利害の一致する相手だ…性癖的な意味で。
『三回で終わらせてくれるとか久しぶりすぎてなんか初々しいし、中也さん可愛いよ』
「煽られねえからな今は。そのうち足腰立たなくなるくらいにまで抱き潰してやるから覚悟しとけ…そんな余裕無くなるくらい、毎日可愛がってやるからなぁ?」
『………前言撤回、全然可愛くな、い…っ』
「当たり前だろ、可愛らしいお嬢さんはお前の方だっつの」
かああ、と懐かしさに駆られるような、しかし俺にとっては新鮮な、照れた顔。
…余裕なかったの、隠して見栄張って頑張ってくれてたのか、こいつ。
「まあ、奥がとっくに開発されかけてやがることはよォく分かったけどな……お前のツボは他にもあるの、もう見つけてっし」
『ぁ、…ま、待って中也さん、それ以上言ったらリアまた欲しくなっちゃ………あ、』
「……リアちゃん、お前さては俺の事大好きだな?」
『や、あの…こ、れはあのですね、っ』
「第二ラウンド始めっから覚悟しろお姫さん、お前マジで一回トばす」