第8章 タイムリミットとクローバー
「天にも登る嬉しさだな…喜んで。どこへなりとも連れ回せ」
傅いて、私の手を取って甲に、指に、手の平にキスを注いでいく。
それから腕、肩、首筋に鎖骨、胸元…順を追って、更に下へと。
『ッひ、ん…な、何し…っぁ、…!!?』
脚を伸ばされ、太腿に膝、脛にふくらはぎに、靴を脱がせて指に爪先まで。
『も、もうやめッ…ま、も、これ以じょ……っ死んじゃ、ぅ…!』
「……へばってんじゃねえぞ、俺に調教される覚悟決めたんだろお前」
『へ…ど、ういう…』
「二度とさっきみてぇな減らず口叩けなくなるように、この身体俺の成分で満たしてやるっつってんの…可愛がってんのに愛情表現すんのくらい当たり前だろ」
『何言って、ッぁ、!!、!?』
首元に軽く歯が当たって、しかし噛み付かれることはなく、腰が砕けるまで耳や首筋に愛撫の嵐。
頭もう何も考えらんなくなる、こんな、こんなキスされてばっかりとか知らない。
「うわぁ、凄…中也さん相当な変態さんだったか、野ばらちゃんが引くレベルの」
「あんた流石に部屋戻ってやんなさいよそれ以上は。あとリアちゃんの写真撮っていい??」
「あっ、違うわごめんこっちも変態だった」
「誰がやるか、うちのリアは俺専用なんだよ」
貴方に、そこまで言ってもらえるのが私にとってどれだけ嬉しいか。
どれだけ、唯一無二のその存在を求めていたか。
「……っと、悪い、デートだった今日は。御粧しさせんぞ」
『ぁ、…な、にを……』
「それ、俺に言わせてぇの?」
にぃ、とサディスティックな顔をして…言い換えれば少しだけ下衆な顔をして、心底楽しそうにほくそ笑むその表情にゾクゾクする。
『…教えて下さ、……ッ、!!?』
する、とお腹からトップスの中に入り込んでくる手が、肌を撫でる。
それから背中に回されて、下着の留め具を外されたかと思えば、そのまま今度はスカートの中に入ってきた。
擽ったさや敏感になるのに体を捩らせるのにビクともせずに、彼は…下の下着の、左右のリボンを完全に解ききってしまったのだ。
『ッッッ、!!!!?!!?』
バッとスカートを押さえて脚を全力で閉じるのだが、そのまま横抱きにされれば楽々とエレベーターに連れ込まれてしまう。
『ま、待ってこれ見え「他の奴に見せたら後で仕置きな」そ、んな、っ…♡』
「新しいの選んでやるよ、楽しみにしてろ」