第8章 タイムリミットとクローバー
「じゃあそれ上書きしちまうくらいに俺が満たしてってやるよ、ぶっ飛んじまうくらいに使い込んで俺専用の身体に調教してやる」
『!!?そういう問題じゃ…、……わ、私子供だって欲しくないわ!!自分がまた生まれなきゃいけないなんてそんな地獄ごめんだものっ、いくら好き勝手されようとぜったい妊娠なんかしてやらない!!!』
「んなもん痛くも痒くもねえな、端から俺はそんな事が目的でお前を好きになってねえ」
『将来的にいらなくなって棄てるんでしょ!?信じた方が馬鹿を見「そんなに怖いんなら俺がお前のこと棄てる未来がひとつでも存在すんのか視てみやがれ!!!」ッ、!?』
大きな声で、言い返されて。
腰が抜けて、床にへたり込む。
ま、待って、なんでそんなに怒鳴って…
『い、や…』
「俺が死ぬのがそんなに怖いか」
『っ…、やめて、』
「自分から捨てようとしてるような奴が、俺に向かって何偉そうなことばっか言ってやがる」
『やめてってば、ッ』
「解決策があるならなんでも使え!!お前、こいつの事選んだんだろうがッ…、うだうだ言って突き放す前に好き放題、わがまま放題して一生離れられねえように束縛してみせろや…!!!」
『怒鳴んないでってばぁ…ッッ!!!』
ぽかん、と彼の勢いが削がれる。
一瞬にして止んだ勢いに、警戒して体を力ませて。
「…大事なことだ、話はすんぞ。俺はこんな風に思ってるってこんだけ伝えてるけど、まだお前の本音さえ聞けてねえんだからこっちは」
『本、音って…』
ふと、野ばらちゃんや連勝に言われた言葉が甦る。
それから、いつもいつも、言わないようにって…願わないように、手を伸ばさないようにと押し込めて、閉じ込めて殺してきたそれが。
「お前は優しい奴だからな、どうせ俺の事を思ってしかなんにも言ってなんかくれねえんだ…言わなきゃダメなんだよ、そういう事は。ちゃんと、口にして、言っていいんだから」
『っ…そんな事、リア教えて貰ってな「じゃあ俺が教えてやる、お前が世界で一番好きで好きで堪らねえこの俺が…信じていいから、怯えんな」そ、なこと言われて、もッ…』
生命への冒涜だ。
何より、彼という存在を軽んじる最低最悪の。
『……、ゾンビ、だよ…?』
「こんな可愛らしいゾンビがいるわけねえだろ」
『…中也さ、ん……リアに、頂戴…ッ』
貴方の、全部。
私だけに。