第7章 燐灰石の秘め事

その瞬間、顔を真っ赤にさせて慌てふためく彼は顔を手で覆い隠す。
ふぅん、ピュアなのは相変わらずなのね。

『何してんの？照れちゃってはっずかし』

「普通見ないようにするでしょ！！？」

『悪いけど私、中也さん以外に見られたところで平気なのよね…それに、イタズラしてくれたマーク君にはちゃんとわからせたげようと思って』

何を、？

恐る恐る聞く彼の手を取って、下着の上から胸に触れさせるとまた震える。
あー可愛い。

『まずひとつ、私基本ドSらしいから、立場が逆なの。ごめんね？』

「ｯｯｯ！！！！？り、あ…そ、その…っ」

『二つ目。私の恋人、束縛激しめだから、妖館に住むならその辺よろしく覚えといてね？じゃないとあの人私にもたまに止められなくなるから』

ぺろ、と彼の鎖骨を舐めて、また仕返しをする。
私の尻尾を乱暴に扱った罪は重いのよ。

『そして最後に三つ目、これが一番大事なこと……リアの身体は髪の毛一本、唾液や涙や嬌声やヤラシイ事した時の愛液に至るまで、全部中也さんのものだから。お分かり？チェリー君』

「…っ、束縛どころの話じゃないでしょｯ、それ！！！」

身体中の至る所に咲く、紅い華。
それが意味するのは鬱血の印で、それら全てを付けたのは紛れもなく私のお慕いするただ一人の上司様であるということで。

『えっ、そう？どうして？？』

「数！！！」

『いいでしょ、悪いけど立ち入る隙無いわよ』

「分かったよもう！！？分かったからシャツ着てくんない！？女の子が身体冷やすようなことしないで！！」

『っ、…え、…？』

ふと、中也さんに言われる言葉と重なって聞こえて。
思わず聞き返すと、彼が目を丸くさせて私に言い聞かせる。

「え、って…なんでそんなビックリしてんの、」

『…い、や別に……』

「……一応言っておくけど、僕君のこと女の子としか思ってないからね？」

『あ、あっそ…マーク君ってどういうシチュエーションが萌える？？』

ぶっ、と吹き出す彼の性癖を試しに聞いてみる。
恥ずかしがっていやいやと拒否されるものの、この人は私のお願いにはさからえない。

「……、…甘えられたら堪んないだろうね」

『…ほ、ほかは？』

「他！？えっ、玩具とか使って強請らせたりとか、」

『中也さんそういうの好きかなぁ…？♡』

「あ゛〜〜〜、だよね、はい」