第5章 蛋白石の下準備
あいつ、そんな素振り見せたことなんか無かったのにな。
聞いた時は衝撃と共に腑に落ちたのと、どこか納得して冷静になったのをよく覚えている。
「……キス、されながらが好きなのか?」
『…それ、しか…知んない、から。……噛まない、方法』
なるほど、強制的に覚え込ませたのか。
確かにそれなら幾分かマシになる。
あいつのおかげってのが気に食わないが、まあリアの中で恩人なことに変わりはないのだろうから。
上から被さって、まずは彼女の下の唇から吸っていく。
それから上唇も重ねて、軽く吸って、触れ合わせて。
行き場を失ったように胸の前で握られていた彼女の手を取って指を絡めれば、彼女の指が大きくビクッと反応する。
それから感じたり、気持ちよくなったり…それらを指から伝えてくれる。
言葉にするのを恐れてしまうリアとは、こうしている方が相性がいいのかもしれない。
『んン…っ……っぁ、ふ…、ぅ…』
次第に彼女の空いている方の手が背中に回されて、抱き寄せられるようになる。
ここまで甘えられてしまえば本望だ。
彼女と繋いでいない方の手で、ふとももの内側を撫でる。
そうするとかなり敏感になっていたようで、すぐに脚が閉じられる。
「、…無理矢理すんの、嫌なんだけど俺」
『!!、…開い、てて…ッ……じゃなきゃ、むり…っ』
「分かった…ちょっと我慢してろ、いい子だからな」
死ぬ程恥ずかしいのだろう、男の前で、脚を開いてその秘部を顕にするだなんて。
片膝を手で立てさせるようにすれば、少しの抵抗ともう片方の脚が離れまいとしてついてくる。
だから、またキスを繰り返して、緊張がほぐれるまで撫でていく。
舌同士を絡ませて、吸って、撫でて。
繰り返すうちに、彼女の力がまた抜けていく。
そうして開いてくれた膝の間に入り込めば、ようやっと彼女のそこに触れられるようになる。
『ひ、ぁ…♡』
可愛がるようにその割れ目をなぞってみると、そこは既に彼女の愛液に塗れていた。
どうやら、かなり焦れったくしてしまっていたらしい。
優しいのと焦れったいのとは調整が難しいものだな。
我慢させていたぶん、もっと可愛がってやらないと。
「可愛いじゃん…いっぱい濡れてる。これなら、痛くないか?」
『ッアっっ、…!!!?♡』
チュプ、と中指をいれ、いい所に当たると、彼女は軽く達してくれた。