第5章 蛋白石の下準備
「やだね、こんな嬉しいプレゼントしてくれた女嫌いになれるわけねえだろ?…はは、ガキみてぇに泣きやがって……不安な時も怖い時も、そうやって泣いていい。…そんで、こうやって俺に護られてればいいんだよ、お前は」
やだ、それじゃやだ。
私が貴方のことを不幸にする。
私が貴方を殺してしまう。
『い、や…ッ…やだ…やだぁ…っ、!』
「…なあ、聞いていい?……なんで、そんなに怖がってんのか」
「あら、ほんとに何も聞いてなかったんだ?…いやね?リアたん、中也たんに触れて未来が一瞬見えちゃったらしくてさぁ……君が、自分のこと護って死んじゃう未来が見えちゃったんだって」
『!!?!、残夏く…ッ、んン、…っ!?…ん、…ん、ふ…んん…ッッ』
一瞬殺気が漏れ出して、残夏君の方に向かおうとした。
しかしそれを許さなかった中也が、私の唇に口付けて離してくれない。
「あーら大胆♡…どぉ?納得いった??」
「…納得いかねえな。俺が死ぬって?…それなら、尚更俺にくっ付いとかなきゃダメだろお前」
『、っ…は、……な、にを…ッ』
「俺は一人で戦って死ぬ程柔じゃねえけど?まあ…お前がついてりゃ、俺は死なねえだろ」
どんな自信だ…どこから来るんだ、そんなもの。
『は、…馬鹿じゃ、な「悪い口はこいつかァ?」ッぅ、…ん、ん〜〜ッ…、ン…ぁ、…む、ンン…!』
有無を言わさず、彼の舌が侵入する。
それに絡め取られる舌が、熱い。
痺れてる…やばい、こんなのされたらすぐ飛んじゃう。
「…、……それに、そんな未来が見えたんなら回避する手段はいくらでもあるだろ。…違うか?」
『…だ、からぁ…っ、…か、かわんなっつって「あ?次は弱ぇところ特別丁寧に撫でてくださいってか?」…、』
言い返したら、多分またやられる。
みすみすかかってやるほど馬鹿じゃない。
口をつぐんで涙目で睨みつける。
しかし彼は変態なので、それすらも唆ると宣い、私を慈しむように見つめるのだ。
何、この人…なんなのこの人。
無茶苦茶すぎんのよ、何の根拠もないくせして。
「いいねぇその顔、どんだけ持つか試してみるか?…崩さなかったら俺の勝ち、俺の言う通りに一緒に過ごす。どうだ」
『…好きに、したら』
「リアたんそのクッションなくても常にYESっぽいねえ?流石はMを内包したドS♡」
『覚えときなさいよ、残夏君…恨むから』