第4章 ペット専用部屋
ヨン、ゴウキ、ケンタ、ジュンジは自分達の生い立ちを中野に話し始めた。
ヨンは悪戯が過ぎて親に感動されて行くあてもなく、ケンカや盗みを繰り返している時に坂木に拾われた。
ゴウキとケンタは幼い頃に事故で両親を亡くし施設に預けられた。ゴウキとケンタは施設で出会い、兄弟のように仲良くなり18歳になり施設を出た後は盗みに恐喝、殺人までやる裏世界の何でも屋として生計をたてていたが、警察に目をつけられ何でも屋を廃業し逃亡している所を坂木に助けられた。
ジュンジは地方から夢を叶えるために都会に出てきたけれど挫折。真面目に生きるのがバカらしくなり、ふらふらと街を彷徨い途方に暮れている時に、偶然見かけた坂木のオーラにひかれ坂木に声を掛けて手下になった。
ヨン、ゴウキ、ケンタ、ジュンジの生い立ちを聞いた中野は自分の生い立ちを話した。
「俺ら似てるな。中野君に正義感がなかったら仲間として出会ってたかもな」
ゴウキがぼそっと呟く。
「同じ境遇だし俺ら仲間だよね。嫌な事とかあったらすぐ俺らに相談してね」
ヨンが優しく微笑む。
「あっ!中野君ケーキ食べる?冷蔵庫に俺が買ってきたケーキがあるんだよ。丁度1個残ってるから中野君にあげるね」
ケンタはニコッと微笑むと冷蔵庫にケーキを取りに行った。
「うわぁ〰️。おいしそう。これ本当に俺が食べていいんですか?」
中野は今までに見せた事が無いような笑顔でテーブルに置かれたケーキを見つめる。
「いいよ。食べて。俺のお気に入りのケーキ屋さんの苺ショートだよ。上に乗ってる苺は糖度が高く大粒なものを厳選し、同じ苺で作ったジャムをスポンジの間にサンドしてあるんだよ」
ケンタが得意気に説明する。
「それ全部店員さんから聞いたことだろ!」
ゴウキがケンタの頭を軽く叩く。
「それ、すっげー美味いよ!」
ヨンが笑顔で力説する。
中野は薦められるがままケーキを一口食べる。
「うわぁぁ。すっごい美味しい。生クリームの甘味と苺ジャムの酸味が絶妙なバランスだね」
中野はキラキラと輝くような笑顔でケーキを食べ進める。