第1章 思い出す
「っだぁー!やかましい!!分かったよ、男に二言はねぇ!!ナマエは今日からうちのクルーだ!!」
半ば自棄になりシャンクスがそう叫ぶと、場はさらにどんちゃん騒ぎのお祭り状態になった。
「ありがとうございます!!みなさん、これからよろしくお願いします!!」
ナマエは嬉しそうにそう挨拶し、最初とは打って変わって歓迎ムードの船員たちの方へ向かって行った。
その背中を見ながら、シャンクスはあの拳銃を思い出した。
見間違いではない、ずっと、彼女が手入れする姿を見てきたのだから。
「まぁ、今度ゆっくり話を聞くとするか。あーぁ、女、入れちまったなぁ」
押し切られた形とはいえ、最終的に許可をしたのは自分だ。
シャンクスは、自分の選択に後悔はしたくない。
きっと今回の選択はこの海賊団にとっていいことだったのだと、そう考えるようにしなければ。
そのためには、あの拳銃の前の持ち主・・・初恋の相手のことは、考えないようにした方がいいだろう。
そんなことできるか?それについてシャンクスは、とてもじゃないが自信は持てなかった。