第5章 不穏な空気の中
志麻side
見回りのため、敷地内を歩き回る。
侵入者がたくさん来ているが、今の所、こちらに被害は出ていないのが幸いだ。
歩いているうちに、暗く、死角になっている所につく。
先日もここに一人隠れていた。しっかり確認した方がいいだろう。
銃がホルスターに入っている事を確認し、一歩踏み込む。
しっかり確認し、誰も潜んで居ないことを確かめた。
少し気を抜いた時、上から人が降りてきた。
咄嗟に銃を抜き、標準を合わせる。
引き金を引こうとした時、そいつと目が合い、指が止まった。
『天月⋯⋯』
「そうだよ。初めまして、側近の志麻様。
今日は忠告に来たんだ」
『忠告?』
「そう。様を護りたいなら、邪魔をしたくないのなら、僕の事は詮索しないで」
『邪魔って、様は何考えてるのか⋯⋯』
「君はまだ知らなくていい。いずれ知ることになる。
いや、知らずに済むのが一番なんだろうけど、そうなるとは思えないから」
『一体何を⋯⋯』
「これで僕の忠告は終わり。それでは」
そう言うと、天月は去っていった。
邪魔するな⋯⋯か。
一体様は何を考えているのか⋯⋯
全く分からない。