第10章 彼らの思い
センラside
様が眠る体勢に入られたのを見て、luzがいる医務室側に移る。
俺が出てくるのを見ると、luzはコーヒーを淹れてくれた。
様の眠りを妨げないように、かなり小さい声で会話する。
「はいどーぞ」
『ありがとう』
「で、様とどんな話してたん?」
『まあ、ちょっとした告白ですけど』
「素直に受け取った?様は色々拗れとるから、口説き落とすん難しいと思うんやけど」
『合ってますよ。恋愛が分からんって言ってました』
「へんにハジメテ無くしとるからねー。まあ仕方ないと思うんやけど」
ふーん、そうなんや。既に初めてを無くしてるんか。
『え、誰相手に?』
は、嘘やろ。処女じゃないん?!
まじで相手誰や?!
そんな話聞いた事ないで?!
俺はまじまじとluzの顔を見る。
luzは俺の様子が面白いかのようにケラケラと笑っていた。
「そんな顔する?今の反応おもろいんやけど」
『いやいや、まじで誰相手に?』
luzはひとしきり笑いが収まると、手招きして俺を傍に呼ぶ。小さい声とはいえ、デリケートな話だ。なるべく聞かれにくいようにするためだろう。
「様は色んな家庭教師呼んどるやろ。その中にそーいう事を教えてくれる教師もおったん。基本的には座学やったし、女やったからある程度信頼はしてた。
やけど、媚薬について教えてる時に、様は弱くて出来上がってしまった。
凄く辛そうやったし、なかなか効果も引かなさそうやったから聞いたん。このまま耐えるか、誰かに発散してもらうか、どっちがいい?って」
『そんな事って⋯⋯解毒薬は?』
「用意してなかったんよ。元々は講義だけのつもりやったしね。
分かってると思うけど、それで様は発散する方を選んだ。で、誰がヤるかって話になった。レズセックスをハジメテにさせるわけいかんから、女二人は除外。天月も出来ないって言った」
『じゃあ、そらるさんとまふまふさん?』
「そう、あの二人がヤろうとした。やけどやれやんかった。妹にしか見えやんくて出来ひんだ」
『って事は⋯⋯』
「そう。俺がハジメテを貰った」