第10章 彼らの思い
センラside
話を終えた後、luzからドクターストップがかかり、全員出ていくことになった。やけど俺はこの時間の護衛だ。婚約者となっても今は止めない方がいいだろう。
敵はまだ沢山いる。
その事をluzに話すと、医務室に居ていいと許可を貰えた。一度部屋を出ていたが、再び戻る。
「おかえり、luz。あれ、センラも居る」
『俺はこの時間の護衛やから残ったんです。寝やへんの?』
「ちょっと気が高ぶったままでね。眠りに付ける気がしないのよ」
「せめて横にはなっといて欲しいんやけど」
「分かった、横にはなっとく」
そう言って、布団に潜り込む様。やけど、ずっと動いとって落ち着きがない。
気が高ぶってるのは本当なんだろう。
あ、えーこと思いついた。
『なら、眠れるまで俺とお話しましょ』
「話?いいわ。何の話?」
『俺達四人のどこが好きか、とかはどうです?』
「あ、センラくんそれは聞かん方がええと思うけど」
『え、なんで?』
「だって」
「好きな所⋯⋯好きな所ねぇ⋯⋯
仕事が出来るのと⋯⋯信頼がおけるのと⋯⋯何かあるかしら?」
『え、逆にそれしかないのに婚約者に選んだん?』
敬語が抜けてるが、そんな事は忘れていた。
まさか、このお方は本当にそれだけで選んだんか?!
嘘やろ⋯⋯
こっちは志麻くん以外は告白してるの変わりないのに。なんでラペルピンを付ける=告白にならんの。
多分、鈍感、なんやろな。
敵意や下心ばっかり受けてきて、純粋な恋愛感情を向けられなかったせいか。
まあ、仕方ないといえば仕方ないんか。
けど、彼女をオトして、子供を産んで貰わんと、俺の地位は保証されやん。
なんとしても、ファミリーの血族に入らんと、何が起こるかわからん。
まあ、なんて建前は置いといて。
本当は一番近くに居たいんだけやけどね。俺は彼女の振る舞いに惚れてしもたから。