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ハリー・ポッターと闇の姫君

第11章 【4人目の代表者】


 翌朝、クリスは絶望感と共に目が覚めた。隣りのベッドは既にもぬけの殻になっており、クリスの胸をますます寂しくさせた。きっと今頃ハリーと一緒にいるんだろう。何故だか自然とそう思えた。
 大広間に行っても、ハーマイオニーとハリーの姿は無く、ロンがフレッドとジョージと一緒に朝食を取っていた。

「お早う」
「クリス!?今日はちゃんと起きてきたんだ」

 ロンが「今日の天気は槍かな?それとも豚かな?」なんて言いながら無理に作り笑顔をしているのが、逆に痛々しかった。

「ロン……私の前では無理するな」
「無理?何が?そう言えば『占い学』の宿題、手伝ってくれない?もう不幸のネタが尽きちゃってさあ」

 ロンの気持ちが分かるからこそ、クリスはそれ以上追及しなかった。しかし、事態は時と共に一層悪くなった。

 まず、ハリーを取り巻く状況が、これまでにないほど悪くなった。ホグワーツのもう1人の代表選手であるセドリックはハッフルパフの生徒で、ハッフルパフは滅多に脚光を浴びないからハリーに代表選手という栄光を横取りされたと腹を立てていた。
 その所為でハッフルパフと合同授業の『薬草学』でハリーはハッフルパフ生から冷たい視線を浴びせられることになった。

 次に、レイブンクローの生徒さえも、ハリーが今以上に目立ちたいが為に、ゴブレットに名前を入れたと考え始めていた。その裏にはスリザリンが悪質な噂を広めているという事もあり、お蔭でハリーは今や学校中からの嫌われ者になった。

 唯一の親友、ハーマイオニーだけがハリーの傍を離れなかった。だがそれが余計にロンの不況を買った。ハーマイオニーに引っ叩かれて以来、ロンはあからさまにハーマイオニーと関わるのを拒否した。
 ハーマイオニーは何度も誤解を解こうとしたが、ハリーの前では何も言えなかった。結果、ハーマイオニーはハリーと、クリスはロンと一緒に行動する事が多くなった。
 クリスとハーマイオニーは、何とかハリーとロンを仲直りさせようとしたが、2人とも意固地になって頑なに自分の非を認めなかった。


「ふう……」

 ベッドに寝ころびながら、クリスはため息を吐いた。今日も一日中ロンと一緒にいたため、ハリーと話が出来なかった。
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