第8章 【対戦校のお出迎え】
「良かったなハリー、シリウスは安全にホグワーツ近辺まで来たみたいだぞ」
「でも、なんでヘドウィグを使っちゃいけないんだろう?」
「少しは頭を使ってよロン、あんなに目立つふくろうが行ったり来たりしていたら隠れ家がすぐばれちゃうでしょう?ハリー、これから手紙を送る時は毎回違うふくろうを使った方が良いわ」
「うん、そうだね。と言うわけだからヘドウィグ、君を使うことが出来なくなっちゃうけど、恨まないでね?」
ハリーはベーコンをヘドウィグにやると、ヘドウィグは嬉しそうにそれをついばんで納得したような素振りを見せた。それを見て、ハリーもロンもクリスもハーマイオニーもニッコリ笑った。
それから生徒達は、全員どの授業中でも落ち着きがなくそわそわしていた。いったいボーバトンとダームストラングの団体はどうやってこのホグワーツまで来るのだろう。
授業が30分早めに終わると、生徒達は急いでカバンを寮に置いて来ると、皆正装用のマントを羽織って玄関ホールに向かった。そして各寮ごとに整列させられると、マクゴナガル先生が生徒の服装を細かくチェックしだした。
「ミスター・ウィーズリー、ネクタイが曲がっていますよ。ミス・パルチ、その髪につけた馬鹿みたいな飾りを取なさい」
ロンはぶつくさ言いながら、これでもかと言わんばかりにネクタイをキュッと絞めた。パーバティはラベンダーと一緒に文句を言いながら、三つ編みの先につけたケバケバしい蝶々の髪飾りを取ってポケットに仕舞った。
「それでは皆さん、着いて来なさい」
マクゴナガル先生がいつもよりキッチリと髪を結んでいるのに、誰もが気づいていた。が、それ以上に、唇が真一文字に結ばれている事に気づかない生徒はいなかった。
グリフィンドール生は1年生から順に並ばせられ、まるで行進するように列を乱さず真っ直ぐ正面玄関を出て石段を下り、城の前で止まった。他の寮の生徒達も、後ろから順々に着いてきている。
生徒達は4人一組で並んで、クリスはロンとハーマイオニーに挟まれる形で整列した。
「もうすぐ6時だ」
「どうやって来るのかな?」
「汽車とか?」
マクゴナガル先生に聞こえない様に、生徒達が話し始めた。みんな初めて来る外国からの客人に興奮を隠し切れない様子だ。